2015年04月27日

防災・防犯まちづくり -みんなでつくる災害に強い環境づくり- アンケート


このアンケートは、和歌山動物愛護推進実行委員会が、
平成27年2月7日(土)・8日(日)の両日にわたって参加者の皆様からいただいたものです。




2月7日 防災セミナーのアンケート集計


①「和歌山市の災害と防炎・防犯対策」
・勉強させていただきました。
・他府県でもしっかり取り組んで!今日近隣の市府町の職員が来て頂けたらと思いました
・ハザードマップの重要性を再確認。
・自分の生活の場が津波や地震でどうなるのか改めて知ることができてうれしかったです
・避難所運営マニュアルの早期作成、公表を望む。
避難所施設(小・中)レベルでのマニュアル作成をすべきである。
・和歌山の防災上の弱点がわかってよかった。災害時の防犯対策もとても参考になった。
・自分の地域にピンポイントでもっと情報を知りたい場合はどこで尋ねればよいでしょうか
・地震による被害を改めて実感することができた。
・災害時の対策(事前準備)がよくわかりました。
・自主防災活動支援の内容や要支援者名簿の作成が興味深く、
自分の町でも確認してみようと思います。
和歌山市における危機の想定や対策に分かりやすい説明で理解しやすかったです。

②「学校へのペットとの同行避難について」
・避難所の長として同行避難に積極的に取り組んでいらっしゃる校長先生に恵まれ、
地域コミュニティの活性化にも積極的な福島小学校の地域はすばらしいと思いました。
現状、全国的に同行避難はペットを屋外に置くのが基本ですが、
できるなら「同居避難」ができる環境を作っていきたいものだと感じました。
・東北の様子がわかりやすく、いろいろな画像を交えての講演だったのでよかった。
同行避難に対する準備の必要性がわかりやすく説明してもらえた。
・ペットの同行避難はいろいろな困難な部分があると分かった。
・同行避難は大事なことだと思いますが、避難所で体育館に一緒に入るのは難しいかと。
私の家族はネコアレルギー、トリ恐怖症です。
・ペットと同行避難するためには日頃のしつけ等ペットとの関わり方をもっと考えないと。
・避難所運営マニュアルの理解ができていない、避難所施設管理者としては不適である。
・同行避難できるようモカちゃんのような犬に我が家もしていきたいです。
・まずは自分のペットの存在を地域の方に知って頂く必要性を感じた。
・地域の人々との関わり合いの大切さがよくわかりました。
・もっとふやしてほしい。
・自治会からの明確なペットとの避難。

③「災害時での感染症への対策」
・考え方の基本的な部分や知識がわかりよかったです。
・昔から行われているシンプルな対策が一番大事なのだと再確認。
・日頃の心がけが大切だということを改めて感じました。
・話が聞けてとてもよかったです。自分や家族の生活習慣を見直したい。
・感染症の恐ろしさを改めて知った。
・免疫力の話は非常に興味深かった。インフルエンザの不顕性感染の話がよかった。
手洗いの重要性もよかった。
・大学でも感染症について学んだのですが、親や祖父母から
「生きる力を身につけておく」ようにしつけられたことが単に道徳教育以上に重要だ
ということ気付かされ、目からウロコの思いでした。晩婚化が進むと祖父母と孫の
接する時間も減ってしまうので憂慮すべき時代だと思いました。

④「災害時における動物病医院と獣医師の役割」
・子猫のミルクボランティアを通して高齢者や若者を交えた地域コミュニティーの活性化
を狙うアイディアは斬新ですがとても素晴らしいと思いました。
防犯をしながら犬の散歩をするというのも地域にペットが受け入れられやすい社会
にしていくためにもとても重要だと気付かされました。
・災害時にはやはり、自助(平時からの備え)が必要であると改めて感じた。
・自助、共助、公助の大切さがわかった。
・動物病院で入院中の子も避難できるように計画しておかなければ。
獣医さんだけに負担はかけられないです。
・講師の方が実際に見聞きしたお話が聞け、感動的でした。
・改めて災害時の認識を持ちました。
・阪神・東日本、両震災での体験談は非常に勉強になります。
改めて当時の気持ちを思い出させていただきました。
・飼主の責任について住民税の提案は参考になった。初めて公助が得られると思えた。

⑤「災害救助犬活動から見た防災・減災」
・災害救助犬の話を聞きました。志の高い素晴らしい事業だと思います。
予想と異なり陽性強化でしつけられている点も好感が持て注目していきたい。
・震災の動画を見て、想像していたより被害がすごく驚いた。
震災等で行方不明の方々を見つけ出すのにこれからも救助犬の活躍が必要である。
・危険な場所での活動に頭が下がります。救助犬のデモ、楽しかったです。
・津波のすごさ、自然の怖さがショックでした。救助活動に携わる方々の熱意を感じました
・人はいろんな面で犬に助けられていることをもっと知っておく必要があると思いました。
・災害救助犬のしつけ方法がおやつ以外のごほうびによるということを初めて知りました。

⑥「パネルディスカッション」
・防災の基本は何より自助と共助であり、地域のつながりこそが本当に大切なのだ
ということを、どの先生も言っていたので最も求められているものだと気付かされました。
行政はできれば動物を介在させながら地域のつながりを支援していくような事業を
より重要な課題として認識すべきと思いました。
・自治会の皆さま、行政の皆さまの真面目さに感動しました。
・今後もう少し活発なディスカッションを期待します。
・普段お会いする機会のない先生方の意見が聞けよかったです。
・有意義な話し合いとなり役に立ちました。

⑦今後、セミナーで取り上げてほしい内容
・やはり動物との同行避難のこと。特に和歌山市での取り組み。

⑧全体を通しての意見・感想
・災害対策の為にどんな事をしていくべきか様々な職者のご意見を聞くことができました。
一般市民向けのセミナーでしたが、気付かされるヒントが多かったと思いました。
これだけ立派なセミナーなのに参加者が少なめでもったいないと思いました。
行政主催でないのも驚きでした。東京から勝手にきましたが大変充実して過ごせました
・動物への優しい気持ちを持つことは結局は人への優しい気持ちに繋がると思います。
行政を動かし意識を高めるのは我々動物と生活している1人1人だと思いました。
・防災の専門家のお話が聞きたい。アメリカのシェルターメディスンの専門Drとか…
・災害の備えをすぐに用意します。
・災害時ペット同行避難を地域(自治体)で話し合いの必要性がある?
・これからもこういうイベントを続けてほしい。
・今回、犬同伴で参加できました。スタッフの方々のお陰です、感謝いたします。
・今回のように実技があるといいです。地震体験もよかったです。
・非常に勉強になりました。


アンケート31枚中
   男 女 合計
20代 1  0 1
30代 1  2 3
40代 1  6 7
50代 3  6 9
60代 3  1 4
70代 1  0 1
不明 2
合計10 15 27
犬同伴11
犬なし8
お住まいの地域東京、大阪、
日高、有田、岩出②、海南、貴志川
和歌山市④、高松③、西脇・西庄、関戸、新南、宮前、太田、東部



①本日のセミナーをどこでお知りになられましたか?
ポスター4
新聞1
ラジオ0
店頭広告0
知人13
その他13
その他詳細 動物病院の窓口、会場の建物で知った、自治会の会合②・回覧板、封書、ブログ、
Knotsメルマガ、玉井先生、しつけ教室

②ペットを飼っている、いない、避妊去勢
いない6
いる24

去避有  去避無
犬20   14    1
猫4    4     0
その他陸ガメ、トリ、トカゲ、カメ

③ペットはどのような存在?
子ども7
伴侶2
家族20
動物1
番犬0
その他0

どういう理由で飼われましたか?
・実家を出て、自分だけの犬と暮らしてみたかった。
・一匹はペットショップ、一匹は飼育放棄犬。
・親のセラピーの為。
・犬が好きで孫の入学祝い。
・癒し④。好きなので③
・主人の強い希望。
・運命。
・家族として迎えたいと思ったから。

④ペットが心の支えになった事はありますか?
はい25
いいえ1

⑤ご近所とのお付き合いはありますか?
はい26
いいえ4

⑥ご近所からペットのことで苦情を言われたことがありますか?
いいえ23
はい3
「はい」の詳細
・作付けした畑に入る
・隣が動物嫌い
・猫を放し飼いにしていた時、糞のことで言われました。

⑦日頃から災害の事を考えて準備をしていますか?
準備をしていない10
準備をしている19
人の物1
ペットの物3
両方11

⑧震災が来た時に必要なもの(薬、処方食など)の量の把握ができていますか?
はい17
いいえ8
わからない5
災害時に支給してほしい処方食はありますか?
パン、水③、ドッグフード③

⑨ご自分の地区の避難所は、ペットと一緒に避難することができますか?
はい3
いいえ4
わからない23

上記で「はい」と答えられた方、同行した避難動物の管理場所は室内?屋外?
室内4
屋外2
わからない3

⑩避難した時に他の犬連れの方に注意してほしい点はありますか?
・あまり近づけない②。犬も震災によるショックやストレスを受けている。
・トイレの責任。しつけ②
・災害直後は多くの人がいら立っている、なるべく他人を刺激しないように心がけてほしい
・ケージ、リードを持ってくること。必ず装着。住所、名前付きの首輪。
・しつけをしていること。マナー。
・普段でも鳴き続けているコがいるので、口輪などを用意しておいてほしい。
・清潔にしてほしい②。吠えすぎる犬は少ししつけてほしい③。




2月8日 災害時のための「ペットの躾(しつけ)教室」のアンケート集計


①全体の内容は満足のいくものでしたか?
とても満足26
満足5
普通0
あまり…0

②しつけ教室の時間
ちょうどいい31
短い0
長い0

③しつけ教室の内容は参考なりましたか?
とても31
少し0
あまり…0

④今後、取り上げてほしい内容はありますか?
・ドッグトレーニング、いろんなこと。
・落ち着く方法や突然声をかけられたり、なでなでしてもらう時にすぐ落ち着かせる方法。
・このような機会を続けて頂きたいです。周知してもらえるといい。②
・歯みがき方法。

⑤全体を通してのご意見・ご感想を。
・他の人にリードを持ってもらう練習などとても勉強になりました。
・貴重な時間をありがとうございました。今後の接し方の役に立つと思います。
ペットについて家族としてこれほどの人が真剣に考えていることとてもうれしく思いました。
・大事なのは飼い主の心がけということを改めて考えました。
・ずっと一緒にいられるようにトレーニングしていきたいと思います。参加できてとてもよかったです。
また他のトレーニングとかあれば参加してみたいです。
・もう8才なのでしつけは難しいと思っていましたが、今からでも大丈夫と希望が持てました。
・個別にも対応してくださって、無料で相談にのって頂きありがとうございました。
・サポーターの方がとてもよかった。(AMのDグループ)
・ペットは飼い主の学習が必要だと実感。「学習してから犬と暮らす義務化」をするといいと思います。
・グループに分かれて体験できたことが大変役に立ちました。
・災害がおこった時、避難したらペットは犬だけじゃないを思うのでこういうイベントに
他のペット(猫やうさぎなど)も参加できるようにしてほしいです。いい経験になると思います。
・とても勉強になりました。犬を飼うときには義務付けられるといいですね。

アンケート33枚中
AM 男 女 合計  PM 男 女 合計
20代 0 0  0    20代 0 0  0
30代 0 0  0    30代 0 2  2
40代 0 6  6    40代 1 3  4
50代 1 2  3    50代 3 3  6
60代 0 0  0    60代 0 0  0
70代 0 0  0    70代 0 0  0
不明 1 5  6     不明  0 3  3
合計 2 13 15    合計 4 11 15
犬同伴2 13 15   犬同伴1 8  9
犬なし0 0  0     犬なし1 2  3
不明3
年齢性別不明3

お住まいの地域和歌山市⑫、吉礼、鳴神、関戸、岩橋、東山東、岡崎、加太、磯ノ浦、名草、松ヶ丘
岩出市、紀の川市、田辺市、紀三井寺



①本日のセミナーをどこでお知りになられましたか?
ポスター5不明2
新聞8
ラジオ1
店頭広告0
知人9
その他9
その他詳細(しつけ教室②、動物病院②、DM、FBで徳丸さん発信)

②ペットを飼っている、いない、避妊去勢
いない1
いる32

去避有  去避無
犬32   20    3
猫6    5     0
その他

③ペットはどのような存在?
子ども9
伴侶2
家族22
動物1
番犬0
その他1同居人

どういう理由で飼われましたか?
・犬が好き③
・プレゼントされた
・こどもが飼いたいと②
・知人のところに子犬が産まれたので。
・娘のセラピー犬として②
・癒し、家族の一員として④
・ずっと犬がいるので、いないのは考えられない

④ペットが心の支えになった事はありますか?
はい32
いいえ0未回答1

⑤ご近所とのお付き合いはありますか?
はい28
いいえ5

⑥ご近所からペットのことで苦情を言われたことがありますか?
いいえ29
はい4
「はい」の詳細
・近所のワンちゃんのしっぽを咬みました。
・犬嫌いな人に「リードを短くしてください」と。
・子犬のころの鳴き声
・よく吠える

⑦日頃から災害の事を考えて準備をしていますか?
準備をしていない7
準備をしている26
人の物2
ペットの物3
両方16

⑧震災が来た時に必要なもの(薬、処方食など)の量の把握ができていますか?
はい13未回答3
いいえ7
わからない10
災害時に支給してほしい処方食はありますか?
食料、水、おやつ、やわらかいペットフード、アレルギー、レトルト

⑨ご自分の地区の避難所は、ペットと一緒に避難することができますか?
はい0未回答1
いいえ4
わからない28


⑩避難した時に他の犬連れの方に注意してほしい点はありますか?
・ワンワン吠えないでほしい②、同調してしまいます。
・咬まないように気をつけてほしいです。
・急に近づかれると咬むかも知れないから。
・リードを必ずつけてほしい
・トイレのしつけ②
・お互いの安全
・犬嫌いへの配慮等


ご参加下さいました皆様、ありがとうございました。
和歌山動物愛護推進実行委員会の皆様、ありがとうございました。

  


2015年04月23日

防災・防犯まちづくり -みんなでつくる災害に強い環境づくり- ダイジェスト


公益財団法人 JR西日本あんしん社会財団 助成事業

「防災・防犯まちづくり -みんなでつくる災害に強い環境づくり-」 ダイジェスト



平成27年2月7日(土曜日) に実施しました 防災セミナーの様子を、
公益財団法人 和歌山県獣医師会 会長 玉井公宏 様 がダイジェスト版として まとめて下さいました。 
当ブログをご覧いただいている皆々様に、今後の防災対策の一助にしていただければ幸甚です。

なお、当会のデータ管理ミスで写真記録が飛散してしまい、再収集に時間がかかってしまって、
ブログ公開が大変遅くなってしまったことを 心よりお詫び致します(平成27年5月13日)。





防災・防犯まちづくり -みんなでつくる災害に強い環境づくり-
防災セミナー
平成27年2月7日(土) 9:15~17:00
和歌山ビッグ愛 1F 展示ホール


開会式 開催挨拶 和歌山市長 尾花 正啓 氏 (山田 丘 危機管理局長〔当時〕 代読):
  『市民 一人一人が災害に備えることが重要』


講演A 「和歌山市の災害と防災・防犯対策」

和歌山市危機管理局 局長〔当時〕 山田 丘 氏:
 『自助努力が基本となる。
 セミナーを受講し、食料などの備蓄をしておいてほしい。
 避難勧告・避難指示に従う。
 和歌山市防災情報メールに登録を。
 携帯ラジオ有用。
 平時から避難所・避難場所を確認し、家族で情報を共有しておく。
 地震時の死亡・ケガに最も繋がりやすい家具等の転倒防止策を
 講じる。
 共助のためには、挨拶を交わすなど地域内での日頃からの付き
 合いが重要。
 自分自身が健康であることが一番の防災。
 犬のためにも、先ず自分が健康であること。』

和歌山市危機管理局 総合防災課 危機管理専門主幹 水口 光幸 氏:
 『和歌山市域はもともと海であった。浸水に弱い特質がある。
 和歌山市域は直下型地震にも海溝型地震にも見舞われる可能性
 がある。
 日本における過去の地震災害例では家具の転倒による被害が
 多い。
 海溝型地震には、東海・東南海・南海の3連動地震が危惧される。
 これは100年周期。
 中央構造線直下型地震は1千年から1万年に一回といわれるが、
 まだ起きた記録がない。
 浸水地域については和歌山市防災マップで確認しておいてほしい。
  これまでの被災地では、災害時に犯罪も発生している。地域住民の
 自治が大切になる。』



「和歌山市に影響を及ぼす災害「について語る 和歌山市危機管理専門主幹 水口 氏。
右側は 前和歌山市危機管理局長 山田 氏。





講演B 「学校へのペットとの同行避難について」

和歌山市立 福島小学校校長 嶋本 憲司 氏:
 『3.11では施設に収容された動物、放浪する動物、繋がれたまま
 死亡する動物がいた。
 本来なら飼い主と一緒に一生を全うできることが本来の幸せではな
 いだろうか。
 災害時等に連れて逃げる事前準備が必要ではないだろうか。
 今後、同行避難を進めていくためには、人への接し方の訓練、トイレ
 等のしつけが重要。
 日頃から多くの方に自分のペットを知っておいてもらう必要がある。
 校長としての危惧は、安全面とトイレ等衛生面が心配。
 人に危害を加えるのではないか? 学校再開時に不衛生ではない
 か?
 避難してこられる人たちにとっても、安全面と衛生面が問題になる。
 怖いと感じる方、アレルギー体質の方にとっての心配があると思わ
 れる。
 同行避難を受け入れるためには、ペットがパニックに陥らないか? 
 そのようなペットが人に危害を加えないかといった怖れを解消しな
 ければならない。
 一頭でも問題を起こすと、他の犬も受け入れられなくなる。その犬
 だけの問題でなくなる。
 ペットのしつけが重要。
 ペットの健康管理が重要。
 日頃からの健康管理、衛生状態の維持。不妊去勢手術等々。
 ペットの身元表示が重要。迷子札、マイクロチップ、鑑札ホルダー、
 狂犬病注射済票等。
 受け入れ側の準備として、受け入れ名簿、飼育場所、トイレ場所、
 飼育管理ルール、行政方針の伝達表示等々が必要。
 飼い主の準備として、5日分以上のフードと水、食器、必要な薬、
 排泄物処理用具(人用は貸すことができません。)
 予備の首輪、リード。ケージ。
 行政防災計画は同行避難に向け改訂されている。
 もう一つの大事なことは地域との日頃からのつながりである。
 地域や、学校の行事に参加し、育友会の広報誌などにも記載され
 ると認知度が高まる。
 ペットも大切な家族の一員。学校も皆様も同行避難を前提に準備を
 していきましょう。』




「学校へのペットとの同行避難について」、今後の積極的な取り組みの決意を述べる
和歌山市立福島小学校 嶋本校長。
右側は試験的に同校にペット同行避難訓練を実施した吉益さんとボランティア犬の
もか吉(右下)。





 講演C 「災害時での感染症への対策」
 和歌山信愛女子短期大学 特任教授 小山 一 氏:

 (現在 和歌山医科大学大学院で博士研究員として、研究を続けられている) 

 
 災害時も平時も基本は同じ。
 感染症への対策は“日常生活での「しつけ」”と同じ意味。
 災害時は超急性期から急性期に至る時期と考える。
 65歳以上の高齢者は災害弱者。自助だけではなく共助が無くては
 ダメ。
 超急性期には公助は期待できない。
 自助の基本は、日本人がもともと備えている人間としての原初的な
 姿が大事。子や孫に教育する必要がある。このことは、行政とか
 法律とか以前の問題として必要。
 共助の基本は、困ったときはお互い様という普段からの地域との
 つながりが大事。
 人間は50歳以上生きることができる仕組みになっていない。65歳
 過ぎたら易感染性となり、75歳を過ぎたら“いつ”何に感染しても不
 思議ではない。
 動物によく見られるパスツレラ菌でも人の副鼻腔で蓄膿症を起こす
 ことがあり、高齢者や基礎疾患がある人には危険性がある。
 狂犬病は日本と同じ清浄国と言われていた台湾で近年発生が見ら
 れた。いつ日本に入って来ても不思議でない。
 犬には必ず狂犬病ワクチンを接種しなければならない。人が発症
 すれば100%死亡に至る。アジアを中心に毎年狂犬病で5万人が
 死亡している。
 病原体が感染した時に発症するかどうかは次の式で表される。
  (病原体の毒力)×(侵入した病原体の数)÷(その人の体調ある
 いは抵抗力)
  すなわち、発症を防ぐためには、
 1)体内に侵入する病原体の数を減らす。
 2)体調を整え、抵抗力を高めることが重要となる。これらがイコール
 「しつけ」ということ。
 マスク、うがい、手洗い、感染者との距離を取る、危険な場所での
 飲食を控える、食物はゆっくりとよく噛んで食べる(消化以上の意味
 がある)、飲み物は一気飲みしない(噛んで飲む)。

 お年寄りの知恵、教えはバカにならない。
 ストレスを避ける。RELAXを心掛ける。
   R: Religion/Spiritually 信仰心
   E:  Expectation     希望を持つ
   L:  Laugher       笑う門には福来る
   A:  Acquaintances    友達付き合い
   X:  Exercise       運動習慣
 自分で生きていく力を身につけておくよう小さい時から「しつけ」て
 いく。
 災害の勃発時(超急性期)には行政や他人をあてにできない・
 すべきでない。
 子供の「しつけ」は祖父母の責任。親は食べさせていくことに
 精一杯。
 手指衛生が重要。流水と石鹸が有効。石鹸に消毒力はないが、
 石鹸を洗い流そうとして丁寧に洗うことに効果がある。
 擦式アルコールが有効。



「道に外れた生き方をすれば、感染症で滅びる」と食品衛生学の視点から
災害史を振り返り、生活習慣、道徳観念の大切さを述べる小山教授。





講演D 「災害時における動物病院と獣医師の役割」

公益社団法人 日本動物病院協会会長 細井戸 大成 氏:

 平時からの準備が重要。
 阪神淡路大震災時には、獣医師よりも動物看護師やボランティア
 の方々が活躍した。
 理由は、動物の病気やけがの対応は少なく、散歩やシャンプー等の
 普通の世話が必要であった。
 災害時の動物救護にはしつけと個体識別が重要。
 2003年以降、屋内飼育犬頭数が屋外飼育犬頭数を上回るようにな
 り、ペットが「愛玩動物」から「家族の一員」と認識する人が増えた。
 2009年にはペットフード安全法も制定され、雑品扱いだった犬・猫
 のフードの安全性が担保されるようになり、ペットが「家族の一員」か
 ら「社会の一員」と認識されるきっかけとなった。
 相馬市の被災地では民間ボランティアがシェルターを開設し、全く犬
 に関わったことのない人々が犬の世話をし、別の近隣の心ある人か
 ら毎朝数十リットルの水がシェルター運営されている一年近くの間、
 ずっと届けられた。
 岩手県の被災地では、特に救援センターを設置せずに、近くの動物
 病院が動物一時預かりを担った。
 宮城県の被災地では避難所でのペットショップ関係者やトリミング関
 係者の好意による出張シャンプー会が定期的に行われた。
 仮設住宅での出張しつけ・マナー講習が行われた。
 2011年3月から9月まで石巻動物救援センターが地域行政、地元
 獣医師会、民間ボランティアの協力のもと開設された。
 宮城県動物愛護センターでも動物収容が行われたが、ここでは犬の
 ことを考えた涼しい施設など配慮が行き届いた。地域のことをよく知
 っている人が運営するとすごいことができる。被災時に人がお風呂
 に入ってリラックスできるように、犬にとってもお風呂って大切であ
 る。
 避難所生活において、災害急性期には犬のことを拒絶する人が多
 いが、1~2カ月ぐらい経過すると犬などペットとの交流が他の被災
 者にとって「いこい」になる。
 仙台市の動物管理センターでは平時に行っていた乳のみ子猫の殺
 処分を辞め、ミルクボランティア等が職員に協力して、子猫の世話も
 するようになった。
 福島県の被災地では心無い愛護団体がネット上で行政等への非難
 を繰り返したり、飼い主から無理に動物を引き離したり、原発警戒地
 域に無断で侵入し、犬・猫の一部を保護し、募金活動等に悪用する
 ようなケースが散見された。
 動物に負担をかけずに保護活動や避難所生活をするためには関係
 者がお互いの立場を尊重して、丁寧に話し合うことが必要であり、飼
 い主たち自身がルールを作って適正に動物を管理するシステムづく
 りが重要である。
 自助として、
 ・平時からの備えをしておく 
 ・家族間で連絡方法、最終集合場所を打ち合わせておく 
 ・家族間で犬、猫を連れ出す係りを決めておく 
 ・犬や猫が他人に不快感を与えないようクレートトレーニング等のし
 つけをしておく 
 ・感染症対策をしっかりしておくなどが重要。 共助として、自分と
 他人とのつながりを構築しておく。
 公助をより有効なものにしていくためには、
 ・明確な個体識別を行い、まだ、実現していないが、
 ・住民票への飼育動物の記載、・ペット税の導入、・共通カードの
 導入、ペットの医療費・フード代にかかる消費税の減免措置など
 を検討していくことが重要である。
 人の生き方や社会の在り方は、ペットと子供から学ぶことが
 たくさんある。

 挨拶 和歌山県議会議員 長坂 隆司 氏:
 飼い主の責任とモラルが問われる。このような講習会は意義が
 ある。
 犬の住民税の話は興味深い。動物に対する公助につながる。

 挨拶 和歌山市議会議員 古川 まさのり 氏:
 本日まではペットの避難については触れたくなかった。逃げて
 いた。
 それはどうして良いかわからなかったから、また、対応する場所
 が無いからだった。ここに来て原点に戻った。人間の務めを痛感
 した。

 公益社団法人 日本動物病院協会会長 細井 戸大成 氏:
 何もかも行政に頼るのではなく、民間の力を引き出すことが大事で
 ある。
 住民相互、住民と行政とのコミュニケーションが大切であると思う。
 地域交流や今後の高齢者社会、独居家庭の増加問題に対しては、
 例えば、高齢者には所有者不明乳のみ子猫にミルクを与える(ミル
 クボランティア)など幼弱動物の世話をしていただき、その後その
 動物を若者に譲渡し、半年ごとに若者と高齢者が交流するイベン
 トを催すなど、平時から、行政が民間の力を借りて、動物介在交流
 モデル地区を制定するのも一法と思われる。


 
阪神淡路大震災から、東日本大震災に至るまでの数々の災害対応体験を
丁寧に語る細井戸会長。 当会スタッフも聞き入ってしまい、照明のスイッチを
押し忘れていました。細井戸会長が暗く映ってしまい、お詫び致します。





講演E 「災害救助犬活動から見た防災・減災」

特定非営利活動法人 和歌山災害救助犬協会理事長 榎本義清 氏:

 震災は来るものだと思って備えている。このような災害救助犬
 チームは近畿地区に2隊しかない。
 広域災害時には救援は期待できないので自助が必要。
 道路には家が倒壊するなどして交通も遮断される。
 まず、皆さん自身が助からないと誰も助けに行くことができない。
 そのためには、
 ・家具を固定する 
 ・7日分の食料と水を備えておく 
 ・高台に逃げるなど身を守る。
 和歌山では広域災害となる。家庭犬でも近所の不明者捜索など
 活躍してほしい。


災害地での体験を語る榎本理事長。



救助犬を連れて颯爽と登場した災害救助犬協会の隊員。





『防災・防犯まちづくり』イメージデザイン作成の表彰式
和歌山市立和歌山高等学校デザイン表現科の皆様
〔和歌山市立和歌山高等学校デザイン表現科のホームページを
ご覧ください (下記アドレスをクリックすると移動します) 。
http://ichikodesign.blog.fc2.com/blog-entry-120.html






パネルディスカッション


司会進行 公益社団法人 和歌山県獣医師会 玉井公宏氏:より、 
「各講師からお伝えしたいことを一言お願いします」の問いについてのご返答


司会進行役 をお引き受けして下さった 和歌山県獣医師会 玉井会長 のご挨拶。



和歌山市危機管理専門主幹 水口光幸氏:
 自助ということが大切。





公益社団法人日本動物病院協会会長 細井戸大成氏:
 動物って強いなと思う。






特定非営利活動法人 和歌山災害救助犬協会理事長 榎本義清氏:
 家庭犬は防犯にも活躍できる。登下校時にお散歩をして、不審者等
を通報してください。
 ワンワンパトロールと言えるでしょう。





環境省近畿地方環境事務所 野生生物課 自然保護官 高橋万来男氏:
 平成24年に改正した動愛法、基本指針では、ペットは愛護対象で
あるとともに、社会に迷惑をかけない躾や災害時の行動などが飼育
舎に求められている。 より良い環境づくりのため実際に汗をかくのは
地元市町村であり 飼育者の方々なので、よろしくお願いしたい。
(写真下 左から4番目が高橋氏)






和歌山県環境生活部 食品・生活衛生課 課長補佐 村上毅氏:
 災害対策は和歌山県の大きな施策である。安全と安心を担保する
ためにも防災が第一で未来への投資であると考えている。
 動物救護は、被災者支援の一環として実施する。県内市町村の
避難所運営マニュアルのモデルを2年前から作成している。
(写真下 中央が村上氏)




質問 受講者A:
 同行避難が盛り込まれてうれしい。しつけられたワンちゃんの効用を
見てほしい。同行避難を妨げる原因の一つが犬のイメージが良くない
ということ。未だに、和歌山県動物愛護センターにも、和歌山市保健所
にも犬は入ることができない。改善してほしい。

和歌山県環境生活部 食品・生活衛生課 課長補佐 村上毅氏:
 イメージを良くする機会は必要だと思う。動物愛護センター長と話し
てみる。


和歌山市保健所 動物保健班 技術主任 渡邊喬氏:
 保健所では乳幼児の健診もするので、現在、犬の入場は無理であ
る。和歌山市も動物愛護センター建設を計画している。実現すれば
啓発に努めていくことができる。
 キーワードは同行避難。ここにいない飼い主の方にいかに啓発して
いけるかが重要。良い犬のイメージを広めるために、わうくらす(Wa
kayama Animal Welfare CLASS の略)などの機会を多くして
いきたい。
(写真下 中央が渡邊氏)





和歌山市自治会連絡協議会副会長 前島五十昭氏:

 一番重要なことは防災。最近は自治会に入会しない住民が多い。
自治会に入って情報共有してほしい。自治会では毎年防災訓練を
している。その際に参加した子供から犬はどうするのかとの質問が
あったが、知識がなく答えることができなかった。今日のセミナーで
いろいろな話が聞けてありがたかった。
(写真下 右側が前島氏)





公益社団法人日本愛玩動物協会 和歌山県支部長 山畑如矢氏:
 当協会は災害時に緊急動物救援対策本部となる。地域と結びつ
くことが大切。PTA役員としての目線からも話をするが、同行避難は
普段からの付き合いがないとだめ。地域見守り隊などに積極的に
参加してほしい。




質問 受講者B:
 地域のつながりというが、最近発生した事件の影響か子供が
大人を避ける風潮がある。
 また、親自身が他人とのかかわりを拒絶しているようだ。
若者が姿を見せていない。

公益社団法人日本動物病院協会会長 細井戸大成氏:
 ゆゆしき問題だ。子供達と近くに住む大人の間で「おはよう」、
「こんにちは」の挨拶、また、目上の人に対する敬語の使い方などを
徹底して、普段から地域交流を活発にする必要があると思います。

特定非営利活動法人 和歌山災害救助犬協会理事長 榎本義清氏:
 まず、こちらから声をかけていこう。

和歌山市危機管理専門主幹 水口光幸氏:
 同行避難した場合、ペットのすみわけをどうするのか。

受講者B:
 スペース的にゆとりがあれば、動物の状況によって何段階かに
分けてでも同じ部屋に入れてほしい。小さい子供は別室にとはできな
いのと同様。

受講者C:
まず人が優先というが、私は犬と「にこいち」だ。

和歌山市危機管理専門主幹 水口光幸氏:
 思いはよくわかる。

特定非営利活動法人 和歌山災害救助犬協会理事長 榎本義清氏:
 一時預かりも一つのパターンだ。



質問 受講者D:
 私は地域の自治会長だが、行政からペットと一緒に避難せよとの話
はない。細井戸先生の講演を聞いてペットは大切だと思う。
 自分の犬は吠える。あきらめていたが、今日、考えが変わった。
市の指示をきちんとしてほしい。

公益社団法人日本動物病院協会会長 細井戸大成氏:
 同行避難という言葉の解釈を個々異なってとらえている。
また、まずは自分自身が生き残らないと動物を救うことはできない。
発災後72時間は人の救助に全力を挙げる。
動物を守るためには72時間は自助努力しかない。
平時によく家族間で対応を話し合っておくことがとても重要である。

和歌山市自治会連絡協議会副会長 前島五十昭氏:
 今後、ペットの避難も含めて対応に取り組んでいく。

  
                              
 ここで開催時間が いっぱいとなり、パネルディスカッションは 参加者からの積極的な質問、
講師の皆様の適切な回答をいただいた末に 終了しました。

 お忙しい時間をさいて 登壇して下さいました講師の皆様に 感謝御礼申し上げます。
価値ある質問して下さった 参加者の皆々様、ありがとうございました。



※『わうくらす(Wakayama Animal Welfare CLASS の略)』とは、学校において道徳の時間等を利用し、動物愛護指導員(行政)・教師・ボランティアが協働して授業をする動物愛護教室です。
 ゲストティーチャーとしてこちらから一方的に講義するのではなく、時間をかけて児童が動物とふれあったり、学んだり、考えたりすることによって “動物の正しい飼い方” “不妊手術やしつけの必要性” “動物を飼うにあたっての義務と責任” を理解していただきたいと思っています。
 実際に児童が動物とふれあうことによって、“正しい接し方”を学び、犬からの危害を防止したり、動物を通して「命の大切さ」「他者への思いやり」を育むことができ、保護者を交えることで地域の適正飼養者を増やしていくことを目的としています。
〔和歌山県動物愛護センターホームページより〕






防災・防犯まちづくり -みんなでつくる災害に強い環境づくり-
災害時のための『ペットの躾(しつけ)』教室
平成27年2月8日(日) 9:00~15:30
和歌山ビッグ愛 1F 展示ホール

平成27年2月8日(日曜日) に実施しました 災害時のための
『ペットの躾(しつけ)』教室の様子です



「飼い主 dog owner に向けて」

開催挨拶として、前日(2月7日)のセミナーで、各講師から学んだことを参加者に
丁寧に解説される 公益社団法人 和歌山県獣医師会 玉井公宏会長。




玉井会長の挨拶に 愛犬ととも聞き入る参加された皆さん。




「災害時にもペットと一緒にいられるための準備」

ペットへの思いを熱弁される 和歌山動物愛護推進実行委員会 石田千晴委員。

 


石田委員の説明に真剣に聞き入る皆さん。 わんちゃん達は 静かに、おりこうさんに
していました。



「犬の一緒に災害時想定デモンストレーション」

和歌山市中消防局の皆様のご協力によって、実現できました。




煙体験ハウス全景。



火事を想定して、テント(屋内火事の疑似体験)の中の煙にまかれずに避難する訓練に、
愛犬とともにチャレンジ 。

参加者の皆さんは、不安ながらもクリアすると ホッとした笑顔を見せてくださいました。

「火事になったら、煙や火を見てパニックになってしまうと思う。 いい疑似体験でした」と
多くの皆さんが語って下さいました。




煙体験ハウスを分解する和歌山市中消防局の皆さん。

皆様の御蔭で、たくさんの方々が「いい体験ができました」と仰って下さいました。
ありがとうございました。




煙体験の前後に、消防車の周りを散歩する皆さん。

「消防車って、近くで見ると大きいね~」、「家の前の道路狭いから、災害時に通れるのかな?」
等、平素あまりお見かけしない緊急用車輌を見て、緊急時に備える消防体制について関心を
寄せられていました。




ペット(動物)が地震体験車に乗車するのは全国初の試みでした。

「地震が起きたら、犬もビックリするやろな~」と自分よりもペットの安否を気にする方が
大半でした。 皆さんやさしい方ばかりです。

当会メンバーが「飼い主さんの命あってこそ、ペットを災害から守れるんですよ」と声をかけると、
「責任重大やなー」との返答。 重大ですよ!




地震体験車にペット一緒に乗車し、揺れて「キャ~!!」と叫びながらも、
愛犬とともに体験できたことに喜んで下さいました。






グループに組み分け、犬のしつけ教室を開催。 皆さん真剣に聞き入って下さいました。




午前の部、午後の部の二部のプログラムは盛況に終了しました。



参加者の皆様、和歌山動物愛護推進実行委員会の皆さん、和歌山大学生有志ボランティアの
皆さん、大変お疲れ様でした。 

参加された皆様よりいただいたアンケートの集計をアップしています。 ぜひ、ご覧ください。