2011年08月24日

「県民集会」の目的と趣旨

3月11日に発生した東日本大震災は、
これまでの防災体制の在り方を考え直させる
強烈な現実を私たちに突きつけました。


沿岸付近で生活していた人々に限らず、
内陸部まで大津波に呑まれ、多くの人命が失われました。

地震、大津波が起こった直後には、火災や水害、液状化現象、
感染症等のあらゆる災害が発生したのは
皆さまもご存じだと思います。


和歌山県下において、近い将来に必ず起こると予想される
南海・東南海地震、中央構造線直下型地震が発生すれば、
同様の災害が私たちを襲うことでしょう。


東日本大震災後、各地で避難出来た人の大半は、
避難訓練を経験していたことがわかってきました。


例を上げると、岩手県釜石市の鵜住居(うのすまい)小学校と中学校は、

“地震の後には津波が起こる”

という過去のデータから、地震を感じたら
「君が率先避難者になれ」
という教育が行われてきました

( 自分が自分を守るために率先して災害から逃げることが、
周りの人にも逃げようとする気持ちをおこすことになり、
周りの人を救うことにつながる。
率先して避難する=積極的に逃げる人になろう、という訓練 ) 。


この小・中学校では、一人も被害者は出ていません。
この例からして、災害から身を守るには「逃げる」意識の徹底が必要であると痛感した次第です。


また、阪神淡路大震災の被災者の98%は、自力か、
隣近所の人に助けてもらって生き延びることができたと言われています。


公的機関によって助けられた人は、わずか1.7%以下でした。
その要因は、災害が起これば役所、警察、消防、自衛隊の方々も被災するからです。

それに加え、災害直後は道路が寸断され、電気・通信が止まり、
社会環境機能は一時働かなくなります。


公的機関自身の復旧作業をある程度終えなければ、市民救済に出動することはできません。
公的機関が市民の救命に出向くには、時間がかかるのです。


上記の通り、災害時は役所、警察、消防、自衛隊は即座に動けません。


公的機関による『公助』は災害からひと段落ついた頃、
私たちを助けに来てくれるものと理解しておきましょう。


災害が発生すれば自分自身を守る『自助』と、
地域近隣と助け合う『共助』が家族を守り、
自身を守ることにつながります。


災害時には自分自身の生きる力と、
隣近所との助け合いで難を乗り越えなければならないものと
覚悟しておく必要があります。


地震が発生した場合、物が倒れたり、
ガラスが割れる衝撃音によって恐怖心が身体を硬直させてしまい、
人は動けなくなります。

大型直下型地震では、自分自身が衝撃によって空中に舞うことになるかもしれません。


こうした理由から、
「避難=逃げる」ための訓練をしておかないと、
“いざ”という時に身体の自由が利かなくなります。


「自助・共助」は、常日頃の地域の訓練によって、
“いざ”という時に成果が発揮されます。


机上で防災知識を得るだけでなく、訓練をして初めて「逃げる」意識を体得できるのです。


まさに、訓練を実施してこそ、
岩手県釜石市 鵜住居(うのすまい)小学校・中学校の

「君が率先避難者になれ」

という意味が理解できるのです。



和歌山県内には避難訓練を重視されている自治会や団体がおられますが、
その数はまだまだ少なく、積極的なところと、
訓練にまで至っていないところとの温度差は大きな開きがあります。


そこで、積極的に活動されている自治会や団体・組織等をモデルとして、
訓練の成果や体験談を発表してもらい、
各地域の自治の参考にしていただこうと思っています。


熱心に活動されている人の話を聞くことにより、
刺激が起こることと、
やればできるという前向きな空気を多勢で作ることが、
やる気を引き起こす心理につながります。


共同認識の場として、今後の自治防災にプラス要因のエキスを注入できるのです。


他にも企業、消防団、PTA役員、NPOや親睦会等、
地域や学校単位の組織のリーダーの方々が、
共に同じ空気にふれていただくことが、減災につながるものと考えます。


また、県民ひとりひとりが、
自分の命は自分で守るという意識・自覚を持ち、
必ず訪れる巨大震災にむけて、
「 守ろう、和歌山 ! 」というイメージを作り、
防災対策啓蒙に役立つとも思います。


自治会をはじめ、多種多様の県民の皆々様と一緒に
「命を守る」意識をひとつに感じ取ってもらう場として、

この度

『 今 、 和歌山 に 地震 が 起こったら 
~ 災害から命を守る「生きる」ための県民の集い ~

10月17日 月曜日 : 和歌山ビッグホエール(会場) 開催を企画しました。


皆さまにご参集いただき、災害から命を守る集いとして、
心をひとつにする時間の中で、
県民の「生きる元気エネルギー」を感じ取ってもらえれば、
災害から命を守る一助になるものと信じております。


  ご参加、ご賛同下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。


                        平成23年8月11日
                         「守ろう! わかやま」実行委員会
                            


Posted by 守ろう、わかやま at 12:39Comments(0)「県民集会」の目的と趣旨