2014年03月14日

伊予灘地震

伊予灘地震を感じて


 
 この度の地震で負傷された皆様に、お見舞い申し上げます。
 
 今朝、午前2時6分に瀬戸内海の伊予灘が震源地の震度5強の地震が起こりました。
私(和歌山市)は約10秒ぐらいの揺れに感じましたが、広島では30秒ほど揺れ、
広島支部長は「南海トラフ巨大地震がとうとう訪れたか!?」と瞬時に思ったそうです。

 つい先般、3月11日に東日本大震災から3年の月日が経ち、お亡くなりになられた方に
哀悼の意を表し、被災された皆妻にお見舞いの念を抱いたばかりのところで、ひやっと
された方もたくさんいらっしゃったと思います。

 内閣府(気象庁情報)の速報では震源の深さ78㎞、規模マグニチュード6.2、最大震度5強は
愛媛県西予(せいよ)市。広島県、山口県、大分県、高知県、愛媛県の市町で震度5弱。
人的被害は軽傷16名、物的被害は現在被害情報無し、原子力発電所関係(原子力規制庁情報)は
伊方発電所、島根発電所、玄海原発 被害情報無し と表記されています。(14日8時現在)。

 
 震源地の伊予灘は、かの安政大震災の東海(東海・東南海)地震(安政元年12月23日発生)、
南海地震(同24日発生)の2日後に発生した豊予海峡地震(同26日)の震源地であった豊予海峡
(大分県と愛媛県の間の海峡)のやや北側の海峡に位置し、海底に中央構造線が通っているため
活断層が多く、地震が多数発生する地帯としても知られています。

 過去の日本の災害史をひも解くと、比較的、震災や震災による津波は冬期に多発しています
から、3.11から3年目にして南海トラフ巨大地震が発生してもおかしくありませんし、単発の
地震や地震津波が起こっても不思議ではありません。
 
 今日の地震を体験された方が「避難訓練の経験があったのですが、地震が起こった時、
何をしていいのかわからなかった」と言われていました。訓練に参加するのは大切な経験です。
その経験に加えて、いつ、どこで、どうしたところで災害に遭遇した場合どうすればいいのか、
シュミレーション(想像)してみて、自分で判断して行動する。イメージを具体化する訓練を
経験することも大切だと思います。

 避難訓練はいわゆる団体訓練であり、誰かがリードしてくれる場合が多いと思いますが、
時には自分ひとりで考え、考えたことが実際に行動にできるか、実行してみることです。
これは予算もかからず、やる気ひとつでできます。

 一生涯のうち、いざという時に行動できるか、できないかで生死が分かれることに遭遇する
ことがあるやも知れません。命を守れる人は、行動できる人といっても過言ではないでしょう。
 震災やあらゆる災害、事故、戦争など、不遇の事態に巻き込まれた時、情報を得られればいい
のですが、情報を得られない時、頼りにできるのは自分しかありません。

 自分の命を守る工夫をしているか。 家族、近隣の人、友人、知人、多くの方々と命を守り
合える環境づくりに参加しているか、振り返ってみましょう。


 「災害後の人生というのは大変なもの」と、被災体験された方から御教示をいただいており
ます。 それは 命を保つことができた方だからこそ、語れることだと思います。 
命あっての人生であり、日本という国が安寧であることによって、災害後に復興・復旧に臨む
ことができます。 
 独り独りが命を守ることは、私たちの住む郷里、国家をも守ることにつながると思います。

 命を守る防災対策を行いましょう。

 自戒の意を込めて、記した次第です。


                                                                                    
                             平成26年3月14日
                             特定非営利活動法人 
                             震災から命を守る会
                             理事長 臼井 康浩